建築家の交渉の進め方【お宅訪問】

私が所属する建築事務所の所長と、リフォームを希望するお客様宅に訪問し、
現地調査及び交渉の勉強をしてきたのでそのメモとして残します。

交渉の進め方

交渉の方針決定

まず相手の出方から話し合いの方針を瞬時に判断します。

例えば、話し合いを始めるなり、お客様が要望を先に話し始めるのであれば、
それを全て聞くことから始めたり、こちらから誘導して要望を聞くこともあれば、
先に、家のイメージを固めてもらうために、ポートフォリオの紹介から始めることもあります。

お客様の様子に合わせて話を進めていく

今回のお客様は一般の方での自宅リフォームをご希望という事でした。
また事前に要望をまとめて頂いていていたので、
以下の通りに話し合いを進めていました。

 

①要望を聞く

⬇︎

②設計及び工事の工程確認

⬇︎

③ポートフォリオ説明

 

今回のお客様の場合、要望がしっかりしていたため、
まず要望をすべて聞き、そのままポートフォリオの説明に移るのではなく、
一度クールダウンとして、工事の工程確認を挟んだということです。

そして、最後にポートフォリオを用いて、
実際に手掛けた家を見ながら、
要望とのすり合わせを行うというものでした。

 

要望の聞き取り

今回はまずお客様の要望を全て聞きます。

ここで重要なのが、お客様に
「余程無茶な要望でなければ殆どの希望に応えることが出来る」
という事をしっかり理解してもらう事だと思いました。

やはり予算と家に対する要望を提示していただくので、
お客様の方が、
「これだけの予算しかないのに、こんなにたくさんの希望を言っちゃって申し訳ない」
と控えめになってしまわれるケースもあります。

しかし建築家は
”予算が合わないから要望のうち一つ妥協してもらう”、
ことはなく、
”その予算で、どのようにしてお客様の要望をかなえるか”、
”またはいかにしてそれ以上の住まいを提供するか”、
を考える仕事です。
なので、まずはお客様に「たくさん希望出してもらって構わないですよと」
安心していただくことが大事なのだと思います。

要望をたくさん出していただいたうえで、
「このような方法だと予算内で希望に添えます。」
というように、常にお客様のことを考えて、
様々なアプローチ方法を用いて、前向きに検討します。

このようにあくまでもお客様主体で、
お客様が希望する家を実現していくというところに
建築家を雇って家を建てる意味があるのだと思います。

 

工程の確認

今回のお客様のケースでは、
1か月間町内会の班長をしなくてはいけない時期がありましたので、
その時期までもしくはその時期以降からの工事という風に
竣工時期の調整が必要でした。

設計者としては、じっくりと考えつくすぐらいには
設計時間は確保したいものの、やはり、お客様としては、
早くできるだけ早く新しい住まいに住みたいという要望もありますから、
その織合わせが難しそうです。
(もちろん意味もなく設計時間を長引かせることはありません)

ポートフォリオの説明

おそらくお客様と建築家の愛称を図る
一番わかりやすい機会がこのポートフォリオ説明だと思います。
しかしお客様側でもおそらくある程度建築事務所を探して依頼されているので、
少なからずお客様はその建築事務所の過去の設計事例には
興味を抱いてらっしゃる考えてもよさそうです。

あとは、過去の設計事例を用いて、
先ほどの要望と絡めてお客様に納得のいく説明ができるかです。

このポートフォリオ説明で大切になってくることは、
お客様の「スキな感じ」や「キライな感じ」を引き出すことだと思います。

写真を見ながらですと、
お客様も
「この部屋の雰囲気はあまり好きじゃない」
「この配色であったり木の感じが好き」
という意見が言いやすい。

その意味でもポートフォリオは
お客様の好みを引き出す最高の道具であるといえます。

まとめ

以上、建築家のお客様お宅訪問に
付き添いした時のメモでした。

やはり、今ではお客様側でも何軒もの 建築設計事務所に
アポを取って、設計の見積もりを取るのが当たり前の時代だそうです。
(本当は闇雲に当たるのではなく、HPで大体の相性を確認してから、
依頼すのがお客様にとってもベストだと思うのですが。。。)

そんな時代でも、自分の事務所を指名してもらえる交渉力、
そして、何よりも実力が必要になるのだなと改めて考えさせられる、一日でした。